神社が祀る神様たち

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神社にはそれぞれ異なる神様が祀られており、古くから日本人がどんなことを信仰してきたかが分かります。
お稲荷さんとして知られる神様は、ウカノミタマです。
日本には自然や物などあらゆる物に神様が宿っているという八百万の神という信仰がありますが、最も有名なのがウカノミタマといえます。

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稲荷信仰は奈良時代に誕生

稲荷信仰は奈良時代に誕生し、豪族の秦氏が穀物や農耕の神として祀ったことが起源とされます。
稲荷は「稲生る」がなまったものとされ、主食である穀物の中でも重要な役割を持つ稲と深く関係しています。
秦氏が力を増すにつれて稲荷信仰が全国に広まり、元々食物神として崇められていたウカノミタマ神と同一視されました。
その後様々な信仰を経て、現在の商売繁盛といった性格も持ちました。
お稲荷さんは狐の姿で描かれることが多いですが、狐はあくまでもウカノミタマの遣いです。
普通の狐ではなく目が見えない白狐といわれます。
狐は冬眠し春になると人里に下りてくることから、豊穣のイメージと結びつけられました。
ウカノミタマは豊受大神と同一視されることもあります。
日本の書物や神話には、同じ神様が異なる名前で登場することも多いです。
一般的にウカノミタマと豊受大神は別々の神様と見なし祀られていますが、学術的には性格が似ているなどの理由で同一ではないかと議論されています。

八幡神社に祀られているホンダワケノミコト

八幡神社に祀られているのは、ホンダワケノミコトです。
応神天皇という名前でも知られており、お稲荷さんと同様全国各地に存在します。
ホンダワケノミコトは現在の福岡県で生まれ、第15代天皇に即位した人物です。
中国文化を取り入れたり百済からの帰化人を受け入れたりと、優れた統治を行いました。
日本文化の基礎を築いた功績は後世に高く評価され、日本を歴史的に見た場合の最初の天皇であるとする見方もあります。
応神は天皇の死後に送られる諡号で、ホンダワケノミコト、誉田別命と祀るのが一般的です。
八幡神と結び付けられた理由ははっきりとしていませんが、平安後期の歴史書に八幡神が現れたという話が残されています。
自らを第15代の応神天皇と名乗る場面があります。
当時は欽明天皇の治世で、日本は朝鮮半島に進出したり東国を平定したりと大和政権が覇権を握っていた時代でした。
死後は文武両道の神として広く知れ渡り、源氏の守護神になったことで武家階級にも親しまれるようになります。
戦前までは戦いのイメージが強かったですが、終戦後は時代の影響を受けて教育や縁結びの神様という認識が広まりました。

天神様と呼ばれる菅原道真

教育といえば、菅原道真を外すことはできません。
菅原道真は天神様と呼ばれ、北九州の太宰府天満宮で学問や受験合格の願いを聞き届けています。
代々学者の家系で、文人としてだけではなく政治家として優秀な才能を発揮した人物です。
菅原道真が55歳の時、醍醐天皇の治世では右大臣の地位を獲得しました。
しかし全てが順風満帆だったわけではなく、菅原道真の出世を妬んだ権力者たちも多くいました。
彼らは菅原道真の出世を嫌って太宰府へと左遷します。
彼が亡くなったのはその2年後のことでした。
死後は宮殿に雷が落ち、左遷に関わった人物たちが病死しました。
説明のつかない天変地異は菅原道真による祟りだと捉えられ、鎮めるために天満宮が建てられました。
怨霊として人々から恐れられましたが、やはり文化人そして政治家としての才能は讃えられるべきであり現在では学問の神様となっています。

コノハナサクヤビメはとても美しい神様

コノハナサクヤビメはとても美しい神様で、祀っているのが浅間神社や子安神社など様々な場所があります。
コノハナサクヤビメが登場するのは古事記で、天照大神の孫であるニニギノミコトはあまりの美しさに結婚を申込みました。
コノハナサクヤビメの父オオヤマズミ神は喜び、姉も一緒に差し出します。
しかし姉のイワナガヒメノミコトは醜い容姿だったため、返されてしまいました。
オオヤマズミ神が姉妹を差し出したのは、天神の子が石のように永久に、木の葉のように栄えるようにという想いがありました。
姉を返してしまったことで、歴代天皇は長寿を失ったというエピソードです。
天皇短命説という概念で知られますが、人間に寿命があるという起源でもあります。
一方、ニニギノミコトと結婚したコノハナサクヤビメは一夜で妊娠しました。
ニニギノミコトは自分の子供ではないと疑い、それに怒ったコノハナサクヤビメは産屋の出入り口を塞ぎ火を放ちました。
火が勢い良く燃え盛っている時に生まれたのがホデリノミコト、やや衰えた時にホスセリノミコト、鎮まった頃にホオリノミコトでした。

まとめ

火の中での出産を果たしたことで、コノハナサクヤビメは子安信仰と結び付き安産の神となりました。
この時、オオヤマズミは酒を造って誕生を祝ったので、父娘で酒の守護神としても祀られるようになりました。
神話ではコノハナサクヤビメが美しかったために鬼にも求婚されるという話もあり、石貫神社に残されています。

最終更新日 2025年6月18日 by preserving