債務整理の手続きについて

債務整理の4つの手続き

債務整理とは、何らかの理由で借金してしまった場合に、その借金を減額したり、支払いの期限に猶予をもたせたりと、債務者を借金に関する負担から解放するための手続きのことです。

最近ではテレビなどでも、この債務整理の相談を促すCMが流れているので、一度は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
貸金業者の中でも、ヤミ金融などで借金をしてしまった場合、過剰な利子や取り立てに苦しむケースもありますが、債務整理をすることでそういったトラブルを回避する手段ともなります。

債務整理には、以下の4つの手続きがあります。債務整理川崎

1.過払い金請求

過払い金とは、貸金業者に払い過ぎたお金のことを言います。
この払い過ぎたお金とは、具体的に言うと借金に対する利息です。

お金を借りている以上必ず利息は発生しますが、消費者金融などの貸金業者は、「グレーゾーン金利」と言われる民事上では認められていない利息制限法の上限を超えた利息を取っていました。

「グレーゾーン金利」は違法ではありますが、刑事罰は科せられないため、債務者は仕方なく支払ってしまっている場合が多くあります。
この“過払い金”は支払う義務のないお金で、債務者の中にはこのせいで返済に苦しめられているという人もいます。

過払い金は、特に長い間借金の返済をしている人に多い傾向があります。
弁護士など専門家に相談して返還請求をすることで、借金が減額したり、場合によっては完済することも可能となります。

2.任意整理

任意整理とは、弁護士などを通して貸金業者と交渉することによって債務の負担を軽くする手続きです。
債務の負担を軽くするためには、主に債務額の減額や毎月の返済額の軽減などが行われます。

この手続きを行うことにによって、借金の返済に追われて生活がままならないということを避けることも可能となります。
この交渉は“和解交渉”と言われ、貸金業者と返済の条件面も相談することで、「自己破産」や「個人再生」などの裁判所経由ではない方法で話を進め決めていきます。

この任意整理は、全ての借金に可能な手続きではありません。
条件が決まっており、基本的には利息制限法で決められている利率より高いことが条件です。
ですので、金利の低い住宅ローンやショッピングなどは該当しません。

また、債務者に安定した収入があることも条件となります。
基本的には、軽減はしても返済を前提とした手続きですので、返済の目処を立てることができなければなりません。

3.民事再生

個人再生とも言われ、借金の返済が困難な場合に、その旨を裁判所に申請し認めてもらうことで借金を軽減してもらう手続きです。
しかし、この手続きを行ったからと言って返済の義務がなくなるわけではありませんので、軽減された借金は返済していかなくてはなりません。
この返済期間は原則として3年となっています。

個人民事再生の手続きをして裁判所に認められると、借金5,000万円以下だと最大10分の1まで減額される可能性があります。
これはあくまで一例で、借金の金額によって異なりますので、弁護士などの専門家に確認する必要があります。

この手続きの大きな特徴としては、住宅などの財産が処分されることがないということです。
また、その後に特定の職業に就けなくなるといった制約もありません。

4.自己破産

自己破産も先述の民事再生と同様に裁判所に借金の返済が困難であることを申請し認めてもらう手続きです。
裁判所に「破産申立書」を提出することで、「免責許可決定」をしてもらうことで、法律上借金の支払い義務が免除されます。
しかし、免除される代わりに、所有している住宅や車などの高価な財産は手放さなくてはならなくなります。

どういった状態だとこの自己破産が適応されるかという明確な条件はありません。
借金の額だけでなく、資産の有無や収入などによっても変わってきますので、これらを踏まえた上で裁判官が判断することとなります。
ですので、借金の原因がギャンブルなどの浪費で、免責に相応しくないと判断された場合には、この手続きが適応されないこともあります。

まとめ

債務整理の手続きについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
借金をしなければ債務整理というのは、必要のないものです。

しかし、何らかのトラブルで借金をしてしまった場合、こういった手続きで借金が軽減される可能性があることを知っているよいうのは大切です。
借金をしてしまうと、それによってさらに生活が苦しくなってしまうことも珍しくはありませんので、このような危機的状況を回避する手段として、行使できる権利は知っておいて損はありません。

また、現在借金の返済に追われている人の中にも“過払い金”のように、知らない間に支払い義務のない不当な利子を払ってしまっていることもあります。
心当たりのある人は、専門家である弁護士などに相談することも、借金の苦労から少しでも解放される手段の1つと言えます。

最終更新日 2025年6月18日 by preserving