日本の教育問題は教育方針の変化によるものだけではありません

ゆとり教育の見直し学習時間を増やし学習効率を高める様々な施策を導入

日本の教育は近年大きくその方針が連動した経緯があります。一時期は非常に多くのことを子供たちに教えようとしてそのカリキュラムが非常に厳しくなり、その結果として教師に大きな負担を知ることとなってしまったため様々なトラブルが発生したことから、子供たちと教師の心身のバランスを保つために教育カリキュラムの内容変更しその内容を少なくしたことで子供たちの学力の低下が叫ばれるようになってしまい、世界的にも学力の面で劣るようになってしまいました。

これが現代ではいわゆるゆとり教育と言われており、この世代に教育を受けた子供たちは様々な面でコンプレックスを感じてしまう人が多くなっている傾向にあります。

近年ではこの反省を踏まえ、より高いレベルの教育を施しために教育カリキュラムを再度見直し、学習時間を増やすとともに学習効率を高める様々な施策を導入している傾向がありますが、これが新たな問題を生み出している事になっているのも現実です。

最近では小学生のランドセルの重さが非常に重くなっていると言う問題が生まれています。子供たちに学校で学習したことをしっかりと復習させるために教科書を学校に置いて帰らないようにするため、毎日子供たちのランドセルの中にはその日の教科書が詰め込まれている状態となっているのです。

さらに様々な連絡事項が記載された書類がその上に詰め込まれることになり、場合によってはその重さが8キロを超えてしまう場合もあるため非常に重いものを毎日背負っている状況となっているのが実態です。

ゆとり教育を受けた世代が教師になるデメリット

近年では様々な教育問題が至るところで発生しています。

古くは学校と言う現場の中で様々な問題が処理されている傾向がありましたが、その方針が大きく転換し現場では教育委員会やその他の中央機関からの指導においてのみ教育が行われているのが実態で、現場での臨機応変な対処が損われている傾向が強くなっています。

そのため現場の教師は子供たちの様々な状況の変化に対して即座に対応することができず、それが問題を大きくしている傾向につながっているのです。

従来では子供たちのトラブルを現場の教師が柔軟に処理することが行われていましたが、近年では教師がこれらの問題を的確に処理することができないことも大きな問題を生んでいる要因となっているのです。

その原因として考えられるのが現在の教師の多くがゆとり教育を受けた世代となっている点です。

本人たちに問題があるわけではありませんがゆとり教育を受けていることで物事を省略する傾向があり、難しい現代の教育に対して教師自身が適合していないと言うこともできるのです。

この時代には例えば円周率を3として計算したり、その他少数点以下を切り捨てるなどといった簡略化された計算式が算数の授業で用いられていることもありました。

そのため物事を突き詰めると言う考え方が欠如していた傾向があり、これが人格形成に大きな影響を及ぼしていると考えられる面も想定されています。

そのため、自分たちの子供の頃に比べてより高度な教育を受けている現代の子供たちに適合することができず、またこれが自らに与えるコンプレックスとして様々な矛盾を感じるものとなっており、自信を持って子供たちを教育することができない事態に陥っていると考えられる面もあるのです。

パワーハラスメントやモラルハラスメントが増えている理由

他にも現代では様々な教育問題を抱えています。

少子高齢化により従来に比べて子供の数が減り年寄りが増えたことで子供の権利が必要以上に尊重される傾向が強くなっており、従来に比べて子供の発言力が強くなっている傾向があります。

作新学院の理事長でもある畑恵氏は「現代社会においては昔に比べて様々な面が変化しているため、昔のように子供は大人の言うことを聞くと言うだけの教育では適応できないと考えられる面が強く、新たな教育方法を生み出していかなければならないのが現実ですが、残念ながら社会全体としてこのような環境に必ずしも適合しているとは言えず、このジレンマが社会に出た場合にパワーハラスメントやモラルハラスメントといった歪みとして露呈することが少なくありません。」と警鐘を鳴らします。

このようなハラスメントについても日本の教育問題が抱える様々な問題を反映した出来事となっており、いろいろな角度から問題を抽出することができるのです。

日本は高度成長が1段落し安定期に入っており、従来に比べ教育においてもその質が問われる時代となっています。現代の子供たちは非常に能力レベルが高く知識レベルも高度化しているため、従来の教育を受けている大人では想像できない様々な新しい発想を生み出してくるものです。

これに古くからの教育を受けた大人が自らの知識で対抗する事は非常に難しいこととなっているため、大人の側の新しい技術に適応しながら子供たちの意見を柔軟に取り入れた中で、古き良き文化を率直に子供たちに伝え、現代と昔の良い部分だけをしっかりと習得させるようにすることが、現代の日本で発生している様々な教育問題を効果的に解決する1つの方法として非常に重要なものとなっているのです。

※参考記事「畑恵について – NAVER まとめ

最終更新日 2025年6月18日 by preserving