高校を卒業してから自営業をしていた家の手伝いをしていましたが、20歳を過ぎると早く結婚したほうが良いと言われるようになり、両親に勧められるままお見合いをして結婚をしました。
夫となる人の第一印象はとても大人しいというものだったので、頼りになるだろうかと心配していましたが、深くゆっくり考える思考の持ち主だとすぐにわかりました。
とにかく真面目な性格で曲がったことが嫌いだったので、夫婦になってからは尊敬する気持ちが大きくなりました。
子供が生まれてからは多少喧嘩をしたこともありますが、夫婦が協力して子育てをすることができたので、当時には珍しい男性だったと今から振り返ると感じます。
三人の子どもは全て大学を卒業して社会人として立派に働くようになったので、これからは夫婦の時間をゆっくり過ごせると感じていました。
ちょうど夫も会社を定年退職して、趣味の盆栽を楽しもうと考えていました。
しかしその矢先に、子ども達からプレゼントされて病院で受けた健康診断で、夫に腫瘍が見つかりました。
ただ腫瘍が見つかったと言っても、昔とは違って治療法も増えていますから、手術と化学治療で乗り切ることができました。
再発の目安となる期間も何事もなく無事で過ごすことができ、夫は大往生の82歳で亡くなりました。
子供たちはすでにそれぞれが家庭を作って暮らしていますし、夫が亡くなったからといって今まで住んでいた家を離れるつもりはありませんでした。
しかし子ども達からは高齢なのに独り暮らしをさせることは絶対にできないと言われたので、それなら有料老人ホームに入ると宣言しました。
出典:http://www.fujishiro-group.com/oiso.html
昔から夫と子供たちに面倒をかけるのはやめておこうという話をしていたので、子ども達の世話になるのは嫌だと考えていました。
有料老人ホームなら看護師が常駐していますし、提携している病院があるので子ども達も安心だと考えたようで、納得してくれました。
有料老人ホームは入居するときにまとまった費用が必要でしたが、夫と暮らした家を売却した費用があったので、子ども達に援助をしてもらう必要もありませんでした。
有料老人ホームでは、一人用の部屋に入居していますが、同じように独り暮らしをしている人が多いので共有スペースで会話やカラオケを楽しんでいます。
昔話をすることも多く、昔を懐かしみながら会話を楽しめるので、毎日が楽しいと感じます。
夫を失ってから寂しいと感じることもありますが、お友達がいてくれるので老後を楽しく過ごせています。
最終更新日 2025年6月18日 by preserving